B型肝炎の悩み       

B型肝炎とはどのようなものですか? B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によって起こる肝臓の病気です。
 肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪くなります。 肝臓は予備能力が高く、一般に日常では全体の20%程度しか使われていないため、慢性肝炎や、肝硬変になっても自覚症状が出ないことが多いことから「沈黙の臓器」と呼ばれています。このことを正しく認識し、HBVに感染していることがわかったら症状がなくてもきちんと検査を受けて、隠れている病気を早く発見することが大切です。


>悩みコンテンツ<

●1
B型肝炎とは?
●2
B型肝炎の原因は?
●3
B型肝炎ウイルス(HBV)はどのようにして感染しますか?
●4
B型肝炎ウイルス(HBV)の感染の特徴(一過性感染と持続性感染)は?
●5
B型肝炎ウイルス(HBV)は、輸血(血液分画製剤)で感染しますか?
●6
B型肝炎になると、どのような症状がでますか?
●7
B型肝炎の検査法は?
●8
B型肝炎の治療法は?
●9
抗ウイルス療法とは、どのようなものですか?
●10
肝庇護療法とは、どのようなものですか?
●11
B型肝炎ウイルス(HBV)感染の予防法は?
●12
B型肝炎になると肝硬変や肝がんになりますか?
●13
B型肝炎について国が講じている施策を教えてください。


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●1
B型肝炎とは?
B型肝炎は肝臓の病気です。
 肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪くなります。
 肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、重症化するまでは自覚症状が現れない場合が多くあります。これは本来肝臓がもっている予備能の高さに由来しています。このことを正しく認識し、症状がなくてもきちんと検査をして病気を早く発見することが大切です。
 肝臓の働きには、
 ・ 栄養分(糖質、たん白質、脂肪、ビタミン)の生成、貯蔵、代謝
 ・ 血液中のホルモン、薬物、毒物などの代謝、解毒
 ・ 出血を止める因子の生成
 ・ 胆汁の産生と胆汁酸の合成
 ・ 身体の中に侵入したウイルスや細菌の感染を防御する
 などがあり、我々が生きていくためには肝臓が健康であることがとても大切です。

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●2
B型肝炎の原因は?
肝炎を起こす原因にはいろいろありますが、わが国ではそのほとんどが肝炎ウイルスの感染によるものであることが明らかにされています。このようにウイルスに感染して発症する肝炎をウイルス肝炎と呼んでいます。
 ウイルス肝炎のうち、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によるものをB型肝炎と呼びます。


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●3
B型肝炎ウイルス(HBV)はどのようにして感染しますか?
B型肝炎ウイルス(HBV)はHBVに感染している人の血液を介して感染します。また、感染している人の血液中のHBV 量が多い場合はその人の体液などを介して感染することもあります。例えば、以下のようなことがあった場合には感染する危険性があります。
 ・ 他人と注射器を共用して覚せい剤、麻薬等を注射した場合
 ・ HBV陽性者が使った注射器・注射針を適切な消毒などをしないでくり返して使用した場合
 ・ HBV陽性者からの輸血、臓器移植等を受けた場合

 また、以下の場合にも感染する可能性があります。
 ・ 頻繁に血液に触れる機会の多い保健医療従事者の場合(特に針刺し事故など)
 ・ HBVに感染している人と性交渉があった場合
 ・ HBV陽性者の血液が付着したカミソリや歯ブラシを使用した場合
 ・ HBVに感染している母親から生まれた子供の場合
(高力価HBsヒト免疫グロブリン(HBIG)とB型肝炎ワクチン(HBワクチン)を正しく用いて母子感染予防を行えば感染することはほとんどありません。詳しくは詳Q37をご覧下さい。)
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B型肝炎ウイルス(HBV)の母子感染予防には、高力価HBsヒト免疫グロブリン(HBIG)とB型肝炎ワクチン(HBワクチン)とを組み合わせて使います。
 予防のためのプログラムは、母親がHBe抗原陽性のHBVキャリアである場合と、HBe抗体陽性のHBVキャリアである場合とで多少異なります。HBV母子感染予防のための基本的なプログラムの概略を図に示します。
B型肝炎ウイルス(HBV)はHBVに感染している人の血液を介して感染します。また、感染している人の血液中のHBV 量が多い場合はその人の体液などを介して感染することもあります。

 以下のような場合にはB型肝炎ウイルス(HBV)は感染しません。
 ・ HBVに感染している人と握手した場合
 ・ HBVに感染している人と抱き合った場合
 ・ HBVに感染している人と軽くキスした場合
 ・ HBVに感染している人の隣に座った場合
 ・ HBVに感染している人と食器を共用した場合
 ・ HBVに感染している人と一緒に入浴した場合
 等

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●4
B型肝炎ウイルス(HBV)の感染の特徴(一過性感染と持続性感染)は?
B型肝炎ウイルス(HBV)の感染には、感染してから数ヶ月の後に身体からウイルスが排除され、その後に免疫ができる「一過性感染」と、長期にわたってウイルスが肝臓に住みついてしまう「持続感染」(HBVキャリア状態)の2つの感染様式があります。
 献血時や検診などの検査で初めてHBs抗原が陽性と判定された人(B型肝炎ウイルスに感染していることが初めてわかった人)のほとんどは、HBVキャリアであることがわかっています。HBVキャリアは、HBe抗原陽性者とHBe抗体陽性者とに大別されます。

さらに詳しく!

B型肝炎ウイルス(HBV)に関連する抗原と、それぞれの抗原に対応する抗体には下記のものがあります。
 HBs抗原  HBs抗体
 HBc抗原  HBc抗体
 HBe抗原  HBe抗体
 B型肝炎ウイルス(HBV)に感染すると、B型肝炎ウイルス(HBV)が身体から排除され始める早い時期からその後の経過中にかけて、B型肝炎ウイルス(HBV)に関連する上記の抗原と、それぞれの抗原に対応する抗体が順を追って血液中に出現します。それぞれの抗原、抗体と、その意味を、順を追って説明すると次のようになります。
(1) HBs抗原とは?:
 B型肝炎ウイルス(HBV)は、直径42nm(ナノメーター:1nmは1mの10億分の1の長さ)の球形をしたDNA型ウイルスで、ヘパドナ(ヘパ:肝、ドナ:DNA、つまり肝臓に病気を起こすDNA型のウイルスという意味)ウイルス科に属します。
 ウイルス粒子は、二重構造をしており、直径約27nmの芯(コア、core)と、これを被う外殻(エンベロープ、envelope)から成り立っています。
 HBV粒子の外殻を構成するタンパクが、HBs抗原タンパクであり、コアを構成するタンパクがHBc抗原です。
 HBVが感染した肝細胞の中で増殖する際には、HBVの外殻を構成するタンパク(HBs抗原)が過剰に作られ、ウイルス粒子とは別個に直径22mmの小型球形粒子あるいは桿状粒子として血液中に流出します。一般にHBVに感染している人の血液中には、HBV粒子1個に対して小型球形粒子は500倍から1000倍、桿状粒子は50倍から100倍存在します。
 なお、HBc抗原は、外殻(エンベロープ)に包まれて、HBV粒子の内部に存在することから、そのままでは検出されません。

(2) HBs抗体とは?:
 HBs抗体は、B型肝炎ウイルス(HBV)粒子の外殻、小型球形粒子、桿状粒子(HBs抗原)に対する抗体です。一過性にHBVに感染した場合、HBs抗体はHBs抗原が血液の中から消えた後に遅れて血中に出現します。
 HBs抗体は、HBVの感染を防御する働き(中和抗体としての働き)を持っています。従って、HBVの一過性感染経過後にHBs抗体が陽性になった人は、再びHBVに感染することはない(免疫を獲得した)ことを意味します。
 HBVの感染予防を目的に、HBs抗体が強陽性の(多量に含む)ヒトの血液を集めて特別に作られたガンマグロブリン製剤を、「高力価HBsヒト免疫グロブリン:HBIG」といい、HBVの母子感染予防の際や、HBVに汚染された事故の際の感染予防に活用されています(受動免疫)。また、感染予防の目的でHBVに対するワクチン(HBワクチン)を接種して身体にHBs抗体を作らせること(能動免疫)も行われています(「母子感染の予防」の項で後述)。

(3) HBc抗原とは?:
 HBc抗原はHBV粒子を構成するタンパクですが、外殻(エンベロープ)に包まれてHBV粒子の内部に存在することから、そのままでは検出できません。検体に特殊な処理をほどこし、HBV粒子をバラバラに破壊することにより検出する試みが行われています。HBc抗原の検査は、まだ日常検査の中には取り入れられてはいません。近い将来、HBc抗原それ自体を検出、定量する方法が日常検査の中に取り入れられれば、HBVキャリアの血液中のウイルス量を簡便に知るため、感染した肝細胞の中でのウイルス増殖の状態を知るため、さらにはHBVに対する抗ウイルス療法を行った場合の効果評価を行うための方法として活用できることが期待されます。

(4) HBc抗体とは?:
 HBc抗体はB型肝炎ウイルス(HBV)のコア抗原(HBc抗原)に対する抗体です。HBc抗体にはHBVの感染を防御する働き(中和抗体としての働き)はありません。
 HBVに一過性に感染すると、HBc抗体はHBs抗原が血液中から消える前の早い段階から出現します。まずIgM型のHBc抗体が出現し、これは数ヶ月で消えます。IgG型のHBc抗体は、IgM型のHBc抗体に少し遅れて出現します。このようにして作られたHBc抗体はほぼ生涯にわたって血中に持続して検出されます。
 IgM型HBc抗体が陽性ということは、その人が比較的最近、HBVに感染したことを、またIgG型HBc抗体が陽性ということは、その人が過去にHBVに感染したことを意味します(感染既往)。
 一方、HBVキャリアでは、一般に、血液中にHBs抗原とともに高力価のHBc抗体が検出されます(HBc抗体「高力価」陽性)。
 これは、HBVキャリアでは、(1)血液中に放出され続けるHBV粒子の中のHBc抗原による免疫刺激に身体がさらされ続けていることから、HBc抗体がたくさん作られ血液中に大量に存在すること、(2)HBc抗原がHBV粒子の外殻に包まれた形で存在するために、血液中のHBc抗体が抗原・抗体反応によって消費されないこと、によるものと解釈されています。
 これに対して、HBVが身体から排除されてなおった場合(HBVの感染既往者)では、年単位の時間をかけて血液中のHBc抗体の量は徐々に低下します。その結果、HBVの感染既往者では、一般にHBc抗体は「中力価」〜「低力価」陽性を示します。この性質を利用して、HBc抗体の力価を測定することにより、HBVキャリアの診断に応用することが行われています。
 なお、その人自身の健康に影響を及ぼすことはないものの、血液中にHBs抗原が検出されない場合(HBs抗原陰性)でも、HBc抗体陽性の人では肝臓の中にごく微量のHBVが存在し続けており、血液中にも、核酸増幅検査(NAT)によりごく微量のHBVが検出される場合があることがわかってきました。

核酸増幅検査(NAT)

核酸増幅検査(Nucleic acid Amplification Test:NAT)とは、標的とする遺伝子の一部を試験管内で約1億倍に増やして検出する方法で、基本的にはPCRと呼ばれていたものと同じ検査法です。
 この方法をB型肝炎ウイルスの遺伝子(HBV DNA)の検出に応用することにより、血液(検体)中のごく微量のHBVの存在を知ることができます。このことから、HBVに感染して間もないために、HBs抗原がまだ検出されない時期(HBs抗原のウインドウ期)にあたる人を見つけ出したり、HBs抗原は陰性でHBc抗体だけが陽性である人の中から、現在HBVに「感染している」人(非定型的なHBVキャリア)を見つけ出すためにNATを応用してスクリーニングを行ない、輸血用血液の安全性の向上のために役立てられています。(詳しくは、詳Q28をご覧下さい。)
 また、NATにより血液中のHBV DNAの量を的確に測定する(定量する)こともできるようになったことから、HBVキャリアの経過を適切に把握し、健康管理に役立てたり、抗ウイルス療法を行った際の経過観察や治療効果の判定に役立てられています。
(5) HBe抗原とは?:
 一般に、検査室で検出されるHBe抗原は、感染した肝細胞の中でB型肝炎ウイルス(HBV)が増殖する際に過剰に作られ、HBV粒子の芯(コア粒子)を構成するタンパクとは別個に血液中に流れ出した可溶性のタンパクであることがわかっています。
 血液中のHBe抗原が陽性ということは、その人の肝臓の中でHBVが盛んに増殖していることを意味します。言いかえれば、HBe抗原が陽性のHBVキャリアの血液の中には、HBVの量が多く、感染性が高いことを意味します。なお、HBVの一過性感染者でも、ウイルスの増殖が盛んな感染初期には、一時的にHBe抗原が陽性となります。

(6) HBe抗体とは?:
 HBe抗体はHBe抗原に対する抗体です。HBe抗体にはB型肝炎ウイルス(HBV)の感染を防御する働き(中和抗体としての働き)はありません。
 HBVに一過性に感染した場合、HBs抗原が血液中から消える前の早い時期から、HBe抗原は検出されなくなり、代ってHBe抗体が検出されるようになります。
 HBVキャリアでは、肝臓に持続感染しているHBVの遺伝子の一部に変異が起こると、肝細胞の中でのHBe抗原タンパクの過剰生産と血液中への放出がとまることがわかってきました。このような変化が起こると、HBe抗原に代ってHBe抗体が検出されるようになります。HBe抗体が陽性になると、一般に、HBVの増殖もおだやかになり、血液中のHBV粒子の量が少なくなることから、血液の感染力も低くなることがわかっています。
 HBVキャリアのうち、小児期ではHBe抗原陽性ですが、多くの人では10歳代の後半から30歳代にかけてHBe抗原陽性の状態からHBe抗体陽性の状態へ変化し、これを契機に、ほとんどの人では肝炎の活動度も沈静化することがわかっています。

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●5
B型肝炎ウイルス(HBV)は、輸血(血液分画製剤)で感染しますか
従来より、わが国では全国の日赤血液センターにおいてB型肝炎ウイルス(HBV)感染予防のためのスクリーニング検査(HBs抗原検査、HBc抗体検査)が徹底され、血液製材の安全性が確保されています。
 さらに、1999年10月からは、核酸増幅検査(Nucleic acid Amplification Test:NAT)が全面的に導入され、血液製材の安全性は一段と向上しています。
 これらの努力にもかかわらず、わが国では輸血によるHBVの感染は、残念ながらごく稀(年間6〜8例前後)ではあるもののまだ発生し続けている現状にあります。
 なお、血液分画製剤については、原料血漿のスクリーニング検査に加えて、原料血漿の6ヶ月間貯留保管による安全対策や、製造工程でウイルスの不活化、除去が行われていることからHBV感染の心配はないと言ってもさしつかえはないでしょう。
 どのような検査によっても、HBV感染のごく初期の人の血液中に存在するごく微量のHBVは検出できない場合があることをよく認識して、検査目的での献血は絶対に「しない」または「させない」ということを周知徹底することが大切です。

さらに詳しく!

わが国では、免疫血清疫学的スクリーニング検査(HBs抗原検査、HBc抗体検査)に加えて、1999年10月から核酸増幅検査(Nucleic acid Amplification Test:NAT)が全面的に導入され、血液の安全性の向上が図られています。しかし、NATによるスクリーニング検査が全面的に導入された後にも、ごく稀にではあるものの(年間6〜8例前後)輸血によるHBV感染はおこっており、根絶するには至っていない現状にあります。
 輸血によるHBV感染例の原因を調査した結果、HBV感染のごく初期にはNATによっても検出できないごく微量のHBVが存在する時期(NATのウインドウ期)があり、この時期に献血された血液が感染源となっていたことがわかりました。また、ごく微量のHBVが血液の中に存在し続ける感染状態(非定形的なHBVのキャリア状態)にある人の血液が感染源となる場合もあることがわかりました。
 特に、NATのウインドウ期に献血されたすべての血液中のHBVを、検査によって検出することはどのような検査法を用いても不可能であることは明らかであり、このことが、輸血によるHBV感染を根絶できない原因となっています。
 現在も、血液の安全性の更なる向上を目指した技術開発は続けられていますが、「検査による血液の安全性の確保」には限界があることをよくわきまえておくことが必要です。医療者側には「不要不急の輸血は行なわないこと」、言い換えれば「輸血用血液の適正な使用」が、また献血者側には「HIVのみならず、HBV、HCVなど、ウイルス感染の検査を目的とする献血を絶対にしない」ことを周知徹底することが最も大切であると言えます。
 なお、血液分画製剤については、NATを含めたスクリーニング検査に加えて、原料血漿の6ヶ月間貯留保管による安全対策や、製造工程においてウイルスの不活化、除去の措置が厳格に行われていること、最終産物についても再度NATを行い、ウイルス混入の可能性を否定していること、などから、HBV感染の心配はないと言ってもさしつかえはないでしょう。



献血された血液500本をプールして1検体としてNATによるスクリーニング(500本プールNAT)を行なっていた1999年7月から2000年1月までの間には、2,140,207本の血液の検査が行われ19本のB型肝炎ウイルス(HBV)陽性の血液が見出されています。NATを行なう検体のプールサイズを500本から50本に変更した(50本プールNAT)2000年2月から2003年11月までの間に20,902,346本血液の検査が行われ414本のHBV陽性の血液が見出されています。
 これらのHBV陽性の血液は、いずれも免疫血清学的スクリーニング検査(HBs抗原検査、HBc抗体検査)では合格となったものであり、NATによるスクリーニング検査が血液の安全性の向上のために役立っていることを示しています。
 しかし、50本プールNATに変更した後にも、輸血によるHBVの感染を根絶するには至っていない現状にあります。血液の更なる安全性の向上のために、プールサイズを現行の50本プールから縮小してより少ない本数にすることや、検体の量を増やして、検体中のHBVを濃縮してNATを行なうこと、などにより、より低濃度のHBV陽性の血液を検出しようとする試みが行われています。
 また、NATの検出感度をいかに上昇させても、HBV感染の早期に献血された血液については、NATによるHBV DNAのウインドウ期間を相対的に短縮するにすぎず、検査に頼るだけでは輸血によるHBV感染を根絶することはできないことがわかっています。
 よく知らない人との性行為を行なうなど、HBV感染のリスク行為をした後には少なくとも3ヶ月間は検査目的の献血は「しない」、または「させない」ことの重要性を周知徹底することが大切です。

現在、献血時の問診の強化や400ml献血、成分献血の推進の他に、分画製剤の原料血漿の6ヶ月貯留保管などの総合的な安全対策が採用されています。
 また、献血された血液について、精度の高いB型肝炎ウイルス(HBV)のスクリーニング検査が行われ、安全性の向上が図られています。B型肝炎ウイルス(HBV)のスクリーニング検査については、1989年11月から、従来のHBs抗原検査に加えて、HBc抗体検査が導入され、輸血後B型肝炎、特に輸血後のB型劇症肝炎はごく例外的にみられる場合を除いて、ほとんどみられなくなりました。さらに1999年10月からは、核酸増幅検査(NAT)によるスクリーニングが全面的に導入されたことから、血液の安全性は一段と向上しました。
 しかし、現行の核酸増幅検査(NAT)により、血液中に存在するHBVを検出するためには、102コピー/ml以上のウイルス濃度である必要があり、更に実質的検出感度を向上させるための努力が続けられてはいますが、限界があります。
 これに対して、特に感染初期の血液の場合、HBV DNAの絶対量として10コピーオーダーのB型肝炎ウイルス(HBV)が、免疫を持たない生体内に入ると感染が成立すると想定されることから、NATによるスクリーニングによってもHBVの感染を完全に予防することはできず、実際、年間6〜8例前後とごく稀ではあるものの輸血によるHBV感染の発生が確認されています。
 日赤血液センターでは、医療に必要な血液の安全性を高めるために献血されたすべての血液について、HBV以外にもいろいろなウイルス等の感染予防のために厳しい検査を行なっています。しかし、上述のように、感染のごく初期に献血された血液では、検査でウイルスを見つけることができないため、その血液が輸血医療に使用され患者さんにとって重大な結果を招いてしまう恐れがあります。
 こうした理由から、HBVのみならず、C型肝炎ウイルス(HCV)、人免疫不全ウイルス(エイズウイルス:HIV)等の検査目的での献血は絶対に「しない」、「させない」ようにすることが大切です。
 なお、血漿分画製剤については、上記のスクリーニング検査に加えて原料血漿の6ヶ月間貯留保管、ウイルスの除去、不活化処理が製造工程に採り入れられることなど、更なる安全対策が採り入れられています。


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●6
B型肝炎になると、どのような症状がでますか?
急性B型肝炎を発症した場合や、B型肝炎ウイルス(HBV)の持続感染者(HBVキャリア)が肝炎を発症した場合、全身の倦怠(けんたい)感に引き続き食欲不振・悪心(おしん)・嘔吐(おうと)などの症状が現われ、これに引き続いて黄疸(おうだん)が出ることもあります。しかし、HBVキャリアではこれらの症状が出なくても慢性肝炎が潜んでいて治療が必要な場合がありますので、定期的に検査を受け、必要に応じて適切な治療を受けるなど健康管理を行うことが大切です。

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●7
B型肝炎の検査法は?
B型肝炎ウイルス(HBV)に感染しているかどうかは、採血して検査します。
 血液の中にHBs抗原が検出された(HBs抗原陽性の)人の中にはB型肝炎ウイルスに初めて感染した(HBVに急性感染した)人とHBVに持続感染している人(HBVキャリア)とがいます。両者を区別するための検査法については、詳しくは●4をご覧下さい。


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●8
B型肝炎の治療法は?
急性B型肝炎の場合は、一般に急性期の対症療法によりほとんどの人では完全に治癒します。しかし、急性B型肝炎を発症した場合、稀に劇症化する場合もあることから注意が必要です。
 B型肝炎ウイルス(HBV)の持続感染者(HBVキャリア)がB型肝炎を発症した場合には、ごく初期の軽い慢性肝炎か、ある程度以上進んだ慢性肝炎か、肝硬変あるいは肝がんにまで進展してしまった状態か、などの「病期」によって、また肝細胞の破壊の度合(肝炎の活動度)や、残されている肝臓の機能の程度(残存肝機能)などによって、B型肝炎の治療方針は全く異なります。


さらに詳しく!
B型肝炎の治療法には、大きく分けて、肝庇護療法、抗ウイルス療法、そして免疫療法があります。
 急性B型肝炎の場合は、一般に急性期の肝庇護療法により、ほとんどの人では完全に治癒します。しかし、急性B型肝炎を発症した場合、まれに劇症化して死亡する場合もあることから注意が必要です。
 B型肝炎ウイルス持続感染者(HBVキャリア)の発症による慢性肝疾患(慢性肝炎、肝硬変など)では全身状態、肝炎の病期、活動度などにより、治療法の選択が行われます。
 抗ウイルス療法には、インターフェロン療法、インターフェロンと副腎皮質ステロイドホルモンの併用療法、ラミブジン内服などがあります。免疫療法には、副腎皮質ステロイドホルモン離脱療法、プロパゲルニウム製剤内服などがあります。また、肝庇護療法には、グリチルリチン製剤の静注、胆汁酸製剤の内服があります。
 いずれの治療法も「肝臓の状態」や全身状態を的確に把握した上で、経過をみながら、副作用などにも注意して慎重に行う必要があるため、治療法の選択、実施にあたっては肝臓専門医とよく相談することが大切です。


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●9
抗ウイルス療法とは、どのようなものですか?
原因であるB型肝炎ウイルス(HBV)を肝臓から追い出してしまうことを目ざす(完全治癒を目ざす)治療法です。抗ウイルス療法には、インターフェロン療法、インターフェロンと副腎皮質ステロイドホルモンの併用療法、ラミブジン内服などがあります。
 抗ウイルス療法は慢性肝炎の「病期」や「活動度」あるいは「残存肝機能」や全身状態などを的確に把握した上で、副作用などにも注意して経過をみながら、慎重に治療を行う必要があるため、治療法の選択、治療の実施にあたっては、専門医と相談して決めることが大切です。


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●10
肝庇護療法とは、どのようなものですか?
肝炎の活動度を抑える、すなわち検査データでいえばALT(GPT)値を下げる治療法です。グリチルリチン製剤の静注、ウルソデスオキシコール酸の内服などが用いられています。
 これらの治療法は肝炎ウイルスに対する直接の効果はありませんが、ほとんどの人について肝炎を沈静化させ、肝臓の線維化の進行を抑える(慢性肝炎から肝硬変への進展を押え、遅らせる)効果があります。継続して行うことが大切です。主治医とよく相談して下さい。


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●11
B型肝炎ウイルス(HBV)感染の予防法は?
B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することを避けるためには、感染している人の血液になるべく触れないことが大切です。具体的には、以下のようなことに気をつけてください。
 ・ 歯ブラシ、カミソリなど他人の血液が付いている可能性のあるものを共用しない。
 ・ 他の人の血液に触るときは、ゴム手袋を着ける。
 ・ 注射器や注射針を共用して、非合法の薬物(覚せい剤、麻薬等)の注射をしない
 ・ 入れ墨やピアスをするときは、清潔な器具であることを必ず確かめる。
 ・ よく知らない相手との性行為にはコンドームを使用する。

 上記の行為の中には、そもそも違法なものも含まれています。感染する危険性が極めて高いことは言うまでもありませんが、違法な行為は行わないようにすることが基本です。
 なお、現在、献血された血液は高い精度でHBVのチェックが行われており、ウイルスが含まれる場合は使用されていません。
 しかし、HBVに感染している人が献血した場合、あるいは感染の危険行為をした後に検査を目的として献血した場合には、精度の高い検査を行っても輸血による感染を完全に防止することができない場合があることがわかっています。
 検査目的での献血は決して「しない」、または「させない」ことの徹底が大切です。ご協力をお願いします。
 なお、医療関係者等、他人の血液に触れる機会が多い人での感染予防には高力価HBsヒト免疫グロブリン(HBIG)やB型肝炎ワクチン(HBワクチン)による予防が有効です。詳しくは、詳Q41、詳Q42をご覧下さい。

さらに詳しく!

B型肝炎ウイルス(HBV)の感染防御抗体(中和抗体)であるHBs抗体が多量に含まれる(HBs抗体高力価の)ヒトの血漿を原料として特別に使られたガンマグロブリン製剤を高力価HBsヒト免疫グロブリン(HBIG)と呼びます。
 HBIGには1バイアルあたり200IU(国際単位)以上のHBs抗体が含有されています。一般にHBIGは筋肉内注射(筋注)により投与します。HBIGを筋注した場合、HBs抗体は短時間のうちに血中に出現する(筋注後48時間でプラトーに達する)ことから、HBVによる汚染が発生した場合などの緊急時の感染予防のために用います。具体的には、
 1) HBVの母子感染予防の目的
 2) HBVに免疫を持たない医療関係者等がHBV陽性の血液による汚染事故をおこした際などの予防目的
 言いかえれば「汚染後の予防」のために使われます。
 「感染予防」を目的として「中和抗体」を投与することを「受動免疫」と呼びます。
 HBIGの投与による「受動免疫」では、血中の中和抗体を短時間のうちに上昇させることができる一方、投与された中和抗体は代謝されて減少する(半減期は約2週間)ことから、一般に緊急を要する場合で、短期間における(1ヶ月〜2ヶ月間以内の)予防のために効果を発揮します。

B型肝炎ウイルス(HBV)の感染防御抗体(中和抗体)を生体に作らせる(免疫を獲得させる)ことを目的とするワクチンをB型肝炎ワクチン(HBワクチン)と呼びます。
 現在は、大腸菌や酵母などを使って発現させたHBs抗原タンパクに免疫賦活剤(アジュバント)を吸着させ、液相に浮遊させたワクチン(遺伝子組み換え型沈降HBワクチン)が一般的に用いられています。
 一般に、HBワクチンは、成人ではHBs抗原量に換算して1回量10μgを皮下に接種します。接種は図に示すプログラムに従って行います。
 3回目の接種は初回の接種から4〜5ヶ月目に行い、その1ヶ月後にHBs抗体検査を行ってワクチン効果の有無を確かめます。
 HBVの母子感染予防の目的で新生児に使用する場合は、成人の1/2量を詳Q37に述べたプログラムに従って接種します。
 HBワクチンが開発された当時に行われた治験では、このプログラムに従ってHBワクチンを接種した場合のHBs抗体獲得率は95%を超えるという成績が得られています。
 HBワクチンの接種によって中和抗体であるHBs抗体を獲得させようとすることを「能動免疫」と呼びます。
 能動免疫では、中和抗体が作られる(免疫を獲得する)までに長時間を要することから、保健医療関係者などHBVに汚染されるリスクが高い集団にあらかじめ免疫を獲得させておく場合、すなわち「汚染前の予防」の目的、および長期間にわたり免疫状態を保つ必要があるHBVの母子感染予防などにその効果を発揮します。
 詳しくは、末尾に参考として掲げた成書をご覧下さい。

(図)
 

 なお、HBワクチンは、有効成分を液相に浮遊させたものであることから、使用するにあたっては必ず十分に振って沈澱している有効成分をあらかじめ浮遊させることが大切です。HBワクチンを接種しても有効でなかった(HBs抗体獲得率の低い)ケースを調べると、使用前に十分に振らなかったために、上清のみを接種している場合がよくみられることから注意が必要です。


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●12
B型肝炎になると肝硬変や肝がんになりますか?
B型肝炎ウイルスの持続感染者(HBVキャリア)のうち、約10%から15%の人が慢性肝炎を発症し、治療が必要になるとされています。
 慢性肝炎を発症した場合、適切な健康管理や必要に応じた治療をせずに放置すると、自覚症状がないまま肝硬変へと進展し、肝がんになることもあります。しかし、適切な治療を行なうことで病気の進展を止めたり、遅らせることができますので、HBVに感染していることが分かった人は、必ず定期的に医療機関を受診して、その時、その時の肝臓の状態(肝炎の活動度、病期)を正しく知り、適切に対処するための診断を受けて下さい。


HBVキャリアの自然経過について。

出生時、または乳幼児期にB型肝炎ウイルス(HBV)に感染してB型肝炎ウイルスの持続感染者(HBVキャリア)になると、その多くはある時期まで肝炎をおこさず、健康なまま経過します(無症候性キャリア)。しかし、ほとんどのHBVキャリアでは10歳代から30歳代にかけて肝炎がおこります。一般にこの肝炎は軽いものであることが多いために本人が気付くほどの症状が出ることはほとんどなく、検査によってのみ肝炎であることがわかります。
 85%〜90%の人では、この肝炎は数年のうちに自然におさまって、またもとの健康な状態に戻りますが、そのほとんどの人ではウイルスが身体から排除されないままHBVキャリアである状態が続きます(無症候性キャリア)。
 HBVキャリアのうち、約10%〜15%の人で長年続く慢性肝炎を発病し、治療が必要になるとされています。
 慢性肝炎を発病した場合、放置しますと、自覚症状がないまま肝硬変へと進展し、肝がんになることもありますので注意が必要です。
 詳しくは主治医にご相談下さい。


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B型肝炎について国が講じている施策を教えてください。
ウイルス性肝炎への対応は、国民の健康に関わる重要な課題であることから、厚生労働省(旧厚生省)では、平成12年11月に「肝炎対策に関する有識者会議」を設置し、これまで行政や学術団体関係機関によって実施されてきた肝炎対策を総点検しながら、今後の方向性や充実の方策について検討してきました。
 この有識者会議の報告書を踏まえ、厚生労働省では、平成14年度から「C型肝炎等緊急総合対策」を実施してきましたが、この緊急総合対策においてはC型肝炎と共にB型肝炎についても、
 (1) 広報の実施や継続的な情報提供などの普及啓発
 (2) 現行の健康診査体制を活用したウイルス検査の実施
 (3) 「肝炎等克服緊急対策研究事業」の創設など、治療方法等の研究開発の推進
 (4) 標準的治療法の開発及び普及など治療体制の整備
 等の施策に取り組んでいます。

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このページの記載文章は厚生労働省hpより

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